審査結果発表
第1回やなせたかし文化賞
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第1回授与式&受賞者展の情報を追加しました。
詳しくはこちら第1回「やなせたかし文化賞」受賞者計5組の発表後、受賞者を祝う授与式とパーティーが開催されました。コンサートには、アニメ「それいけ!アンパンマン」の主題歌の歌手として知られるドリーミング、やなせたかしオリジナルコンサートに数多く出演した童謡歌手・大和田りつこさんが出演され、やなせたかしデザインキャラクターたちと共に会場を盛り上げました。
PHASE1第1回受賞者展
第1期
絵本やイラストレーション制作、工作番組のアートディレクションの担当など幅広く活躍し、第1回「やなせたかし文化賞」大賞を受賞したtupera tuperaと人形劇のプロ活動を行い、コンクールでも様々な賞を受賞している人形劇団ココン。本展では、絵本原画やラフ、立体作品、人形の展示が行われました。イベントでは、tupera tuperaによる絵本の読み聞かせライブやサイン会、人形劇団ココンによる人形劇上演が行われました。
PHASE2第1回受賞者展
第2期
絵本作家、詩人、翻訳家として第一線で活躍する石津ちひろ氏。本展では、詩集や絵本などが展示されました。空間を大きく使って展示された作品に、音や映像を交えた様々な仕掛けが施され、言葉の世界をより体感できる展覧会となりました。また「ことばのワークショップ」も開催され、子供達に「言葉の力と意味」を伝えました。
PHASE3第1回受賞者展
第3期
アニメーション制作を手がける株式会社エクラアニマルと漫画家の村岡マサヒロ氏。本展では株式会社エクラアニマルによって制作された『フイチンさん』『風のように』『かっぱのすりばち』の3本が上映され、村岡氏の『きんこん土佐日記』から厳選された漫画原稿、本展書き下ろしの作品が展示されました。更にお絵かき教室や、カレーパンマンの声優柳沢三千代氏による生ナレーションでのアニメ上映などのイベントが行われ、漫画・アニメの世界に子供達を引き込みました。
里中 満智子選定委員長
結局私は「やなせ先生がいらしたらどう思われたか」を想像しながら選んだ。
さて、やなせ先生のお気持ちに合致したかどうか、不安だが…。
応募作全て「子供の世界を広げる」力があると感じたことは間違いない。
内川 雅彦高知新聞社
1回目でしたので、選考ではこの賞はどうあるべきか、という点を何度も考えました。他に幾つもある漫画や絵本などの賞との違いです。優しさや正義感、思いやりなど、やなせ作品に通じる特長を持った応募作も目立ちました。もっとも本賞が「第二のやなせたかし」的な存在を生み出す必要はないと思います。大事なことは才能や個性を埋もれさせることなく、発掘して評価することではないでしょうか。次の世代を育成することに人一倍、心を配ったやなせさんの理念が形となるよう期待しています。
牧野 鈴子イラストレーター
「絵本賞」や「文学賞」などたくさんある中で、子供の芸術文化全般に対しての賞ということで「やなせたかし文化賞」の存在意味は大きいと思います。
受賞作品からはいろんな「気付き」を得ることが出来ました。デジタルの文化が進む中で絵本や漫画のように紙の質感に触れながら、仕掛け(tupera tupera氏)や言葉のリズム(石津ちひろ氏)に誘われてページをめくる楽しさ……。
演劇や人形劇を見ることで大勢の仲間と一緒に笑ったり歌ったり、演者との掛け合い(人形劇団ココン氏)を楽しんだりすることで一方通行ではない時間を共有すること大切さなど改めて感じることが出来ました。これらの文化がこれからもずっと残り続けることを願って選考を終えました。
宇野 亞喜良イラストレーター
さらに出版エディターでもあり、抒情詩人であり、イラストレーターでもあり、回収を考えないアーティストへの投資家でもある。
そんなボーダーレスな文明ボヘミアン、やなせたかしの名を冠した賞も、えたいの知れない広大な視野に立たなければならない重責を感じている。審査の会場には実に多様なジャンルから候補作品が上がってきていた。やなせたかし賞の面白さは、例えばカッコ良い絵本があったとすると、それを描いた(あるいは書いた)アーティストを対象にすることもできるし、それを出版したパブリッシャーを対象にすることもできて、さらにひょっとしたら、美しい本を印刷したスタッフに賞をあげることもありうるという気もする。他の賞とは一味違う賞の特性があり、その最初が(絵本)(テキスト・翻訳・詩)(人形劇)といったヴァラエティに富んだ受賞者が決定し、他のジャンルを内包する考え方が実現できたことで、やりがいのある審査だったと満足している。
古川 佳代子高知こどもの図書館 館長
絵本作成やワークショップに力を発揮されているtupera tuperaさん。言葉の力にあらためて気づかせてくださった石津ちひろさん。地方新聞で方言を活かしたちょっと毒のある漫画を連載されている村岡マサヒロさん、良質のアニメーションを子どもたちに届けていらっしゃる㈱エクラアニマルさん、思わず感嘆の声が出てしまう舞台を繰り広げる人形劇団ココンさん。子どものための良心的な芸術活動を真摯に行っていらっしゃる皆さま素晴らしさを、この賞を通じて多くの方に知って頂ければと思います。
立原 えりか童話作家
候補作はどれもユニークで楽しく、見れば見るほど、どれを受賞作にすればいいのかわからなくなりました。
村岡マサヒロさんの土佐弁と石津ちひろさんの研ぎ澄まされた言葉にも心がひろがりました。