審査結果発表

第2回やなせたかし文化賞

賞金:100万円副賞:メダル
NPO法人ぷるすあるは 精神保健の普及啓発と
子ども子育て支援を
目的としたNPO法人

プロフィール

「ぷるすあるは」は、精神科の看護師の細尾ちあきと、医師で代表の北野陽子が、オリジナル絵本など心理教育ツールの制作・普及のため2012年に立ち上げたプロジェクトチーム「プルスアルハ」を発展させる形で、2015年6月に設立したNPO法人。
精神障がいやこころの不調、発達障がいをかかえた親とその子どもや、さまざまな事情の中で頑張っている子どもたちを、絵本やウェブサイトなどの情報コンテンツを通して応援している。イラストはすべて細尾ちあきが担当。

著書

家族のこころの病気を子どもに伝える絵本(全4巻)

  • 『ボクのせいかも… ─お母さんがうつ病になったの─』
  • 『お母さんどうしちゃったの…─統合失調症になったの・前編─』
  • 『お母さんは静養中─統合失調症になったの・後編─』
  • 『ボクのこと わすれちゃったの?─お父さんはアルコール依存症─』

(ゆまに書房、2012~2014年)

子どもの気持ちを知る絵本(全3巻)

  • 『わたしのココロはわたしのもの─不登校って言わないで─』
  • 『ボクの冒険のはじまり─家のケンカはかなしいけれど…』
  • 『発達凸凹なボクの世界─感覚過敏を探検する─』

(ゆまに書房、2014~2015年)

その他の書籍

  • 『生きる冒険地図』 (文絵・細尾ちあき、著・プルスアルハ、学苑社、2019年)
  • 『ゆるっとこそだて応援ブック』 (文絵・細尾ちあき、NPO法人ぷるすあるは、2020年)

ウェブサイト

  • NPO法人ぷるすあるは https://pulusualuha.or.jp
  • 『子ども情報ステーション』 https://kidsinfost.net 精神障がいやこころの不調、発達凸凹をかかえた親とその’子ども’の情報&応援サイト

受賞歴

  • 2012年 さいたま市ニュービジネス大賞 ソーシャルビジネス賞・女性起業賞
  • 2014年 日本児童青年精神医学会 平成26年度実践奨励賞
  • 2016年 第12回 精神障害者自立支援活動賞(リリー賞)支援者部門
  • 2016年 オレンジリボン運動公式ポスターコンテスト2016 最優秀賞

受賞コメント

  • NPO法人ぷるすあるは
    素晴らしい賞に選んでいただきありがとうございます。 精神保健の領域で活動してきた私たちの創作に、精神疾患をかかえた親、家族、その子どもたちに、光を当ててくださり、ありがとうございます。 賞にこめた、やなせたかしさんの想いを大切にひきつぎ、必要だけどこれまでなかったコンテンツをつくり届ける活動を、これからもつづけていきたいと思います。

選定委員 選評コメント

  • 里中満智子
    子供達自身がうまく表現出来ない苦しみに、大人たちが気付いたら、大人も子供ももっと楽に息ができる。子供達に「大丈夫よ」と言って微笑むことのできる大人が増えますように。そんな祈りのこもった本だ。
  • 内川雅彦
    「生きる冒険地図」は格差、多様性、貧困虐待などのキーワードが表わす現代社会を象徴する1冊だと思う。生きる上で直面するさまざまな問題への対処の仕方を伝え、子どもの味方であろうとする姿勢と温かさが伝わってくる。考えさせられた。
  • 梯久美子
    「いま」を生きる子どもたちに必要であり、かつ子どもの未来に責任を負う大人たちが知っておくべき情報を、わかりやすく、届きやすい形で発信している。出版物にこめられた、誰もが生きやすい世の中にというメッセージ、それを伝えるための工夫と配慮に強く心を動かされた。こうした活動があることを、多くの人に知ってほしい。
  • 牧野鈴子
    いじめ・虐待・貧困・ヤングケアラー、精神的問題など、子供たちの抱えている問題に寄り添い、子供の心の声に気付き受けとめる。そんな大人がいることを、このNPO法人にやなせたかし文化賞として光を当てることで、つらい思をしている子供に知らせたい。
  • 山根青鬼
    心を病んでいるであろう子供達と、その親御さんが、この「子どもの気持ちを知る絵本」を見たらどんなにほっとする事だろう。そして、本来あるべき健全で明るい子供達が、多く育つ事を願います。